華麗なる一族〈下〉 |山崎 豊子
華麗なる一族〈下〉山崎 豊子
新潮社 刊
発売日 1970-05
色あせない名作です 2007-01-24
1974年高校生の時に夢中で読みました。30年以上経って読んでみて、
やっぱり名作は色あせないな、と感嘆しました。
最後の、悪が悪を飲み込むところ・・・高校生の時は、どうもそれが
納得できませんでした。人生の半ばを過ぎて読むと、「それもありか」
と妙に共感してしまいます。
ただそれは、食うか食われるか、この物質世界の生存競争でのことです。
精神的には、野望を遂げた東洋銀行頭取 万俵大介の胸ですら、すきま風が
吹いているように感じます。長男鉄平の死に際して動揺の色を見せ、鉄平の
出生の真実を知りほんの少しだけ親子の情をかいま見せる大介。全編冷酷非
情な人間だからこそ、より生身の人間的に見えて、なんか・・・許せてしま
います。(実の親だったら、私も次女二子のように反発するかもしれませんが)
悪が悪を共食いする。それは、「私はそれほど悪人じゃない」と感じている
普通の人間が手を出せない、ダーティーな仕事をやってくれる代行者を育てる
ために必要悪かもしれません。
ほろ苦い大人の小説です。
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